オファー 図録本茶道美術楽茶碗樂茶碗長次郎道入一入ノンコウ光悦ほぼ実物大写真歴代窯印落款銘表千家裏千家武者小路千家薮内流宗流遠州流草人木書苑

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草人木書苑 茶道美術 茶碗 樂 楽
監修 千宗室 裏千家 家元 顧問 千宗左 表千家 家元 千宗守 武者小路千家 家元 藪内紹智 藪内流 家元 小堀宗慶 遠州茶道 宗家 遠州流 山田宗偏 宗偏流 家元 淡交社 1982年 初版 金箔押し布張り上製本 作品写真図版フルカラー 解説写真図版モノクロ 30.5x21.6x2.5cm 196ページ 定価記載なし

※絶版

日本の茶道六大流派の各家元・宗家が監修した、 国宝・重要文化財、名物はじめ、茶道美術の正真正銘・本物中・最高峰の 茶道具ばかりを集めたフルカラー写真図録本全集「草人木書苑」のうちの一冊。
本書は茶碗(楽/樂)。 写真図版はほぼ実物大に近いカラー写真で、実際にそれぞれの道具を手にとって拝見するような感覚で楽しめる上、 箱書きなど付属物、伝来、寸法、古文書などの所載、道具の見どころや由緒など詳細に解説したもの。 楽歴代裏印/窯印/落款、参考文献、古文書釈文、解説、系譜なども収載。 内容充実の、茶道・骨董品・茶道具・日本美術・東洋美術など愛好家必携、大変貴重な資料本です。

【刊行のことば 千宗室】全集全体の序文 日本の茶道は、その成立の初期から今日まで、綜合的な文化体系として、日本人の生活文化の基調としての役目をはたしつづけている。 日本人固有の審美的な美意識から、茶室・茶庭といった建築空間の構成、各種道具の生活工芸としての造型、点前作法に見る坐作進退の姿勢、懐石を中心とした飲食の意匠性まで、日本人の生活基盤のなかに、ふかく根ざして、伝統的なくらしとなって生きているのである。 ところで、この茶道の真髄を把握するためには、どうしても通らなければならない関門のあることを忘れてはならない。それは、茶道を構成する道具に対する知識と鑑賞眼の琢磨である。実は、茶道の極意は、この第一の関門を初歩としながらも、これを究極とするとも言われるものである。
 目利ニテ茶湯モ上手、数奇ノ師匠ヲシテ世ヲ渡ル(茶湯者卜云、一物モ不持、胸ノ覚悟一、作分一、手柄一、此三箇条ノ調タルヲ侘数奇卜云々 唐物所持、目利モ茶湯モ上手、此三箇モ調ヒ、一道二志深キハ名人卜云也
と『山上宗二記』にあるように、茶道具の鑑賞が、古来、如何に重視されていたかがわかる。だから、今日の茶道を、文化遺産として考えるとき、精神文化さえもが、道具を中心とした造型遺産に内包されると考えてもよいのである。 このたび『茶道美術全集』の刊行を企図した。それは、茶道の造型遺産をとおして、茶道の美の真実を体系化することにある。 幸いにして、多くの読者諸賢とともに、美の宝庫の中に遊ぶよろこびをわかちあい、明日への茶道人の歩みの資たらしめんとねがうのである。
【目次より】 原色図版 長次郎 銘 早船 赤楽茶碗 重文 長次郎 銘 大黒 黒楽茶碗 重文 長次郎 銘 東陽坊 黒楽茶碗 重文 長次郎 銘 北野 黒楽茶碗 長次郎 銘 勾当 赤楽茶碗 長次郎 銘 無一物 赤楽茶碗 重文 長次郎 銘 横雲 赤楽茶碗 長次郎 銘 一文字 赤楽茶碗 長次郎 銘 包柿 赤楽茶碗 長次郎 銘 なでしこ 赤楽茶碗 長次郎 銘 まこも 黒楽茶碗 長次郎 銘 俊寛 黒楽茶碗 長次郎 銘 風折 黒楽茶碗 長次郎 銘 禿 黒楽茶碗 長次郎 銘 二郎坊 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 升 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 千鳥 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 稲妻 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 鳳林 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 鶴 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 獅子 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 若山 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 是色 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 虹 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 荒磯 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 あざみ 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 残雪 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 香久山 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 此花 黒楽茶碗 ノンコウ 銘 酒呑童子 赤楽茶碗 ノンコウ 銘 霞 黒楽茶碗 一入 銘 四湖 黒楽茶碗 一入 銘 金毛 黒楽茶碗 一入 銘 曙 黒楽茶碗 宗入 銘 亀毛 黒楽茶碗 宗入 銘 柴庵 黒楽茶碗 宗入 銘 一平 黒楽茶碗 左入 銘 カイカウ 赤楽茶碗 左入 銘 ヒゝ 黒楽茶碗 光悦 銘 不二山 国宝 光悦 銘 七里 黒楽茶碗 光悦 銘 加賀 赤楽茶碗 重文 光悦 銘 毘沙門堂 赤楽茶碗 光悦 銘 雨雲 黒楽茶碗 重文 光悦 銘 雪峰赤楽茶碗 重文 光悦 銘 乙御前 赤楽茶碗 楽茶碗 歴代の印 総説 満岡忠成 図版解説 満岡忠成 参考文献 楽宗入筆楽窯系譜 楽焼系図 楽系譜 楽焼名物茶碗及銘 并持主 「万宝全書」『古今和漢諸道具見知鈔』楽家系図 楽の賦 住友友昌あて山中道億書簡 楽之書 日本陶磁の発達図表
【解説より 一部紹介】 楽茶碗(長次郎 道入 光悦) 長次郎 はじめは「唐様と号して室を飾り衆を集めて興を催す宴」(禅林小歌)であった唐様風の茶会が、町衆層への普及とともにしだいに和様化して、室町末の紹鴎時代には侘びの茶の湯となり、それにつれて茶碗の好みも天目や青磁の規格的で硬いものから、日本人的な肌にあった、個性的で和らかな高麗茶碗へ推移するようになった。高麗茶碗の愛好は、桃山時代になるといっそう旺んになったが、これと並んで新しく国産のいわゆる今焼茶碗が登場してきて、同様に人々からもてはやされるようになった。 『山上宗二記』に「惣別茶碗之事、唐茶碗(捨リタル也。当世ハ高麗茶碗、今焼茶碗(この場合は楽茶碗)、瀬戸茶碗以下迄也」とあるのは、天正年間におけるこの趨勢を指摘したものである。今焼の語は桃山時代の茶会記にはしきりに見かけるところで、その意は字義の如くに当世の焼物ということである。したがって前記『宗二記』における瀬戸茶碗も、これは当時新興の美濃窯(瀬戸系なので江戸時代までは尾州瀬戸窯と一括して瀬戸焼と総称された)の志野や瀬戸黒をさすものなので、がんらいはやはり今焼の中に含まれるものである。げんに『草人木』(寛永三年刊)には織部使用の茶碗について、「茶碗は年々に瀬戸(美濃窯)よりのぼりたる今焼のひづみたる也」とあって、志野や織部もまだ当然ながら今焼とよばれていた。(以下略)
ノンコウ(ノンカウ) 道入 のんこう のんかう 道入(明暦二年五十八歳没)は、従来の楽系譜からいえば、初代長次郎、二代吉左衛門常慶と数えて三代目で、宗入文書の系譜によると、長次郎の次に庄左衛門宗味が入って、四代目ということになる。名は吉兵衛で、道入は法名である。しかし世間にはむしろノンコウの名でよく知られているが、これは宗旦の竹花入から出たものである。すなわち宗旦がかつて伊勢参宮の途中伊勢鈴鹿の能古茶屋で休んだ時、付近の竹で二重切花入を作り、茶屋に因んでノンコウと銘して道入に贈ったのが、非常に気に入って常に花を入れて楽しんでいたので、この名が生れたという。 この逸話からもノンコウが宗且と親しかったことが判り、ちょうど長次郎における利休のような関係であったかと思われる。宗旦がノンコウに茶碗を注文した手紙も楽家には残っている。また光悦とも親しかったことは、『本阿弥行状記』に、「今の吉兵衛は至って楽の妙手なり。我等は吉兵衛に薬等の伝も譲りを得て慰みにやく事なり。後代吉兵衛が作は重宝すべし。しかれども当代は先代よりも不如意の様子也。惣じて名人は皆貧なるものぞかし」とあるのでもよく知られているが、作品の上にも光悦の影響が窺われる。 光悦が「楽の妙手」と賞しているように、その作振りは神技ともいうべき冴えを見せて、陶技の秀れたことでは楽代、中随一といってよい。長次郎の茶碗が、利休好みを旨として、松平不昧も「箆目をかくし、細工をかくしたる心、隠逸にて茶碗の趣向当代の人気のおよばざる所之ある物なり」と(以下略)

1 長次郎 銘 早船 赤楽 利休七種ノ内名物 重文 付属物 内箱 桐白木貼紙書付千利休筆 外箱 焼桐と桑の継合金具付貼紙矢倉竹翁 仕覆 利休間道 添書付一通 添掛物 一幅利休文 伝来 千利休-蒲生氏郷-京都大文字屋一桔梗屋矢倉家-戸田露吟(茶経集成早船伝系)-亀田是安-藤田家-大原家-畠山家 所載 古今名物類聚 千家中興名物 内焼塔長次郎伝 茶事諸器集 富永領著 茶器名形篇 本朝陶器攷証 井伊大老著 閖夜茶話 茶器口利集 苦心録 稲垣休叟著松風雑話 閖窓雑記 楽焼名物茶碗集 草間和楽著茶器名物図彙 藤田家道具帳 大正名器鑑 寸法 高サ七・八-八・一cm 口径一一・三cm 高台径 四・七7 同高サ〇・七cm 所蔵者 東京畠山記念館 利休銘七種のうち現存する三碗(他は大黒・東陽坊)のなかで赤はこの一碗だけという、由緒のある貴重な長次郎の楽茶碗である。蒲生氏郷・細川三斎・古田織部三人に宛てた、天正十四年前後の利休の文があり、また、利休書付の「はやふね」の貼紙もあって、文中の大黒と共に利休形の代表的なものである。利休が大阪から京へ早船で取りにやったというのでこの銘がある。長次郎の典形的な作風の窺われるもので、穏やかな姿のうちに深い趣を内包して、利休の好みをよく体現している。赤土にやや光沢ある失透ぎみの釉がかかって所々に白斑が表われ、一部胴から高台内外にかけて蒼鼠の火替りがあって、大きな景になっている。腰に箆口がみえ、目が高台に二つ、見込みに五つある。胴一部が割れて繕いがある。
2 長次郎 銘大黒 黒楽 利休七種ノ内名物 重文 付属物 内箱 桐黒掻合塗 同蓋裏 朱漆書付江岑宗左筆 外箱 桐白木書付随流斎宗佐筆 仕覆 唐物緞子 伝来 千利休-千少庵一千宗旦-後藤少斎―江岑宗左-表千家一三井浄貞-鴻池家 所載 古今名物類聚 富永勍著茶器名形篇 内焼長次郎伝 茶事諸器集 銘物集 楽焼名物茶碗集 名物茶碗集 本朝陶器攷証 閑居偶筆 茶盛茶碗目利書 遠州名物記 伏見屋宗理著 名物茶碗図会 万治年中加賀屋宗三控 鴻池蔵帳 草間和楽著 茶器名物図彙 茶器口利集 古今茶湯集 大正名器鑑 寸法 高サハ・五cm 口径一〇・七cm 高台径四・八cm 同高サ〇・八cm 利休銘七種の中では最も有名なもので、大黒の銘は小黒に対していわれたものであろう。早船が裾で斜めになっているのに対して、大黒では緩やかに丸みを帯びて、利休形としていっそう穏和な姿で、利休の好みをさらによく表わしているかと思われる。 黒釉は外側ではやや光沢があるが、見込みでは茶釉肌になっている。口辺に近く鋏み痕があり、高台畳付の一部では釉が切れて、聚楽赤土の素地を見せている。高台内には巴が見事である。
16 ノンコウ(ノンカウ) 銘升 黒楽 ノンコウ七種ノ内 付属物 箱 桐白木 同蓋蓋 書付覚々斎宗左筆 伝来 大阪絎屋―赤星家-大阪磯野良吉 所載 本朝陶器攷証 伏見屋宗理著名物茶碗図会 箒庵文庫乙第二号 書画骨董掘出物語 閖窓雑記 寸法 高サ七・六cm 口径一一・二-一一・八cm 高台径五・四cm 同高サ〇・八cm 重サ三二〇g ノンコウ七種の筆頭といわれ、覚々斎銘の升は、形の四方から出ている。 素地は白土で土見であるが、土見はノンコウから始まるといってよく、長次郎に対して一つの特色になっている。薄作で口はやや抱え、ノンコウ独特の光沢ある漆黒の釉が厚くかかって、口辺から胴にかけては垂れ幕状になり、いわゆるノンコウの幕釉となっている。正面に幕釉につづいて、これもノンコウ得意の黄抜けが遠山形に表われて、大きな景になっている。 黒釉の調合や焼成にも工夫して、独特の玉虫釉を生み、幕釉や黄抜けの斬新な意匠を創意して、成形の神技をいっそう栄えあらしめた技量は、長次郎とはまた別天地を拓いたもので、光悦が「楽の妙手」と讃えたゆえんである。 見込みのひろいのも特色であるが、これは光悦の影響とみられる。黒釉が薄いところでは飴がかって、濃淡の趣を表わすのもノンコウの特色である。土見の高台まわりには水釉がうすくかかり、内に楽印が捺されて、畳付には目が五つある。
40 光悦 銘不二山 国宝 付属物 内箱 桐白木書付本阿弥光悦筆印 譲り 一札 証文 一通 伝来 本阿弥光悦-光悦の娘が比喜多家に入嫁の時持参-姫路酒井雅楽 頭忠学 所載 本朝陶器攷証 茶会漫録黒光悦添書付 草間和楽著茶器名物図彙 苦心録 閖窓雑記 大正名器鑑 寸法 高サ八・五cm 口径一一・六cm 高台径五・四cm 同高サ〇・五cm 光悦茶碗の筆頭に推されるもので、不二山の光悦銘は、白黒の景を白雪を頂いた不二山に見立てたものとも、あるいは無二の出来という意から名付けたともいわれている。光悦の娘が入嫁のときに振袖切に包んで持参させたので、一に振袖茶碗ともよばれている。 切立ての角造りに成るもので、胴や高台、高台脇は箆で削っている。素地は白土で、白釉が厚くかかり、土見ずで、下半は内外とも炭化して灰黒に火替りして。無類の景となっている。 何よりも作者光悦の人品を偬ばすような気品の高い作柄で。しかも由緒あり、珍しい共箱で、まさに銘にふさわしい名碗と称すべきである。

楽宗入筆楽窯系譜(元禄元年奥書) 戦後初めて楽家が公表した文書で、従来飴也と同一人視されていた宗慶が別の人物であることや、抹消されていた庄左衛門宗味が楽代々の一人であることなどが明瞭となり、初期の楽窯関係に重要な修正を加えるに至った貴重な資料を提供している。
ほか
★状態★ 1982年の、とても古い本です。 外観は通常保管によるスレ、背ヤケ、天小口に経年ヤケしみがある程度、 扉、目次余白部などにも経年並ヤケしみなどありますが、 カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、 問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)

<絶版・入手困難本>オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。 古本・品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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